【アメリカ・Parsons School of Design(The New School)の留学体験談】NYの刺激と混沌の中で、自分らしい表現を探す
アメリカ・ニューヨークに位置するThe New Schoolは、リベラルで多様性に富んだ教育を特徴とする大学です。その中でもParsons School of Designは、世界屈指のアートスクールとして知られ、デザイン・ファッション・アートの分野で高い評価を受けています。今回は、ParsonsでIllustrationを学ぶ後藤寧月さんに、進学の理由や実際の授業・生活、そして自分なりのアートの在り方について語っていただきました。
- 2025/9/20
- 2025/9/20

後藤寧月さん
The New School, Parsons School of Design
専攻: Illustration
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高校卒業後、Parsonsに進学するまでの経緯を教えてください。
私は高校時代を大阪のインターで過ごし、その後1年間浪人して、ポートフォリオとパーソナルステートメントでParsonsに出願、2023年9月に入学しました。実はロンドンのUALとも迷っていたんですが、「自分のやりたいことが全部1つの学部に詰まっている」と感じたのがParsonsでした。NYの空気の方がアートの現場感が強くて、最終的にはその感覚を信じました。
実際に通ってみて、想像とのギャップはありましたか?
かなりありました(笑)。まず、生徒のレベルが思っていたよりも低かったです。アジア人の比率が高くて、全体の6割くらいが中国人。自主的に制作する学生は少なめで、趣味の延長という感じの人も多いです。先生のレベルは高いですが、スキルではなくストーリーや思考力を重視した教育スタイル。技術面は自分で磨く必要があります。
でも、オリエンテーションを受ければ木工や樹脂、グラフィックモーションなどの専門スタジオも使えますし、環境としてはすごく整っています。学校の前でプロテストが行われたり、講義がテントで開かれたり、そんな「社会と向き合う」空気もParsonsらしさだと思います。
Parsonsの魅力を教えてください。
まず、先生が本当に優秀です。スタジオには現役アーティストが来て話してくれることも多く、インスピレーションが溢れています。課題は「考える力」を問うものが多く、NYという街の歴史や背景を使って、そこからどう表現するかを考えさせられるんです。
そして何より、ニューヨークという街が最高です。毎日のようにアートイベントやパーティーがあって、自分から話しかければどんどん繋がれる環境。SNSを活用して、コンペティションで出会った人と繋がっていくなど、コネクションをつくる力が磨かれる街です。NYではみんなが恋愛や仕事よりも「人脈」を求めて動いてる感じです(笑)。
日々の生活や授業スケジュールについても教えてください。
寮は学校から徒歩30秒で便利ですが、その分だらけがちにもなります。図書館はParsonsのほか、NYUの巨大な図書館も使えて、制作に集中できる環境です。
1日はだいたい朝9時〜14時ごろまで授業、その後はMaking Centerで制作、夜はライブラリや友人と過ごすという流れ。週末はビーチに行ったり、クラブやライブに行ったり、NYの多様な文化に触れる時間を楽しんでいます。
課外活動や創作活動についても教えてください。
学校外ではイラストコンペに作品を出したり、アニメーションを制作したり、時にはバックダンサーとして活動することもあります。自分のバックグラウンドや文化をアメリカでどう表現していくか、それを常に考えています。日本では見せられなかった自分の表現も、NYでは自然に出せる環境があると感じます。
留学生活で気をつけていること、準備しておいて良かったことは?
日常会話レベルの英語力は必須ですが、実はそれよりも大事なのが孤独に対する心の準備。NYは刺激的だけど、自分が置いていかれる感覚にもなりやすいです。でも、そんなときにこそ自分から動くこと、周りに話しかけることが大切だと思います。
あと意外とリーディングやライティングの課題も多いので、英語のアカデミックスキルは早めに磨いておくと楽です。創作以外の課題も真面目に取り組む姿勢が求められます。
卒業後の進路について考えていることがあれば教えてください。
イラストレーターにはなりません(笑)。私にとってイラストは「ツール」であって、「仕事」として依頼されると自由に作れないことが多いので…。将来的にはアートビジネスに関わったり、社会を知った上でアーティストとして作品をつくる立場に立てたらいいなと思っています。
最後に、これから留学を目指す人へのメッセージをお願いします!
オープンマインドでいること、そしてとにかく自分から動くこと! イベントにも顔を出して、知らない人にも話しかけて、自分から世界に踏み出していってください。辛い時こそ、自分を偽らず等身大で。わからない英語でも一歩踏み込んで話してみる。NYという街は、挑戦する人にすごく優しい場所です。強く、自由に、自分らしくあれる場所ですよ!