留学体験談

University of Surrey

サリー大学

【英・University of Surreyの留学体験談】のどかなキャンパスと自由な学びで物理を探究!

イギリス・ギルフォードに位置するUniversity of Surrey(サリー大学)は、穏やかな雰囲気と学生への手厚いサポートが魅力の国立大学です。今回は、そんなサリー大学で物理を学ぶFionaさんにインタビュー。幼少期に日本からイギリスへ渡り、両国の教育に触れてきた彼女がなぜこの大学を選んだのか、現地でのリアルな学生生活まで、たっぷりと語っていただきました。

2025/9/3
2025/9/6
Fiona

Fionaさん

University of Surrey

専攻: 数学物理

  • #2022年入学
  • #正規生
  • #理系
  • #UK

University of Surrey入学前のFionaさんの経歴について教えてください。

私は日本で生まれ、10歳までは日本の公立校に通っていました。その後、10歳からはイギリスに移り、現地の学校に通うようになりました。高校生の時には、日本に一年間留学して日本とイギリスの高校両方に通う経験ができました。BBCなどのドキュメンタリー番組で、特に量子力学に関する内容を見るうちに物理の魅力に引き込まれ、将来的には日本で廃炉管理など原子物理の分野で働けたらいいな、という漠然とした夢を持つようになりました。

FionaさんはなぜUK・University of Surreyを進学先として選ばれたのですか?

自由度と自分の学びたい分野で研究ができる環境を求めてUKのサリー大学を進学先に選びました。日本の教育は厳格で、特に数学の教え方がイギリスとは異なり、決まった解法をしっかりと学ぶことが重視されます。一方で、イギリスでは自分で考える力を養う自由なスタイルが取り入れられており、試行錯誤しながら理解を深めることができるという印象を日本とイギリスの両方の学校に通った際に感じました。私は解法などを自分で考えることが好きだったこともあり、「フリーレンジ」な学び方に強く惹かれ、より自分の考えを発展させられるイギリスの方があっていると思いイギリスの大学への進学を決めました。

さらに、以前から物理に興味があり、特にサリー大学にはこの分野で著名なジム・アル=カリリ(Jim Al-Khalili)教授がいらっしゃることも大きな決め手でした。彼の著書は入学前から読んでおり、ぜひ直接指導を受けたいという思いがありました。

University of Surreyに出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。

University of Surreyへの出願プロセスは、イギリスの現地学生と同じ方法で進めました。まず、イギリスの大学出願システムであるUCASを利用しました。UCASを通じて、成績や志望動機書(PS)を提出することで、出願のすべてが管理されます。

求められた書類はシンプルで、Aレベルの成績と志望動機書だけでした。Aレベルとは、イギリスの高校生が大学進学のために受ける試験で、日本の大学入試に相当するものです。

University of Surreyの校風について教えてください。

University of Surreyは、良い意味で競争が少なく、穏やかな雰囲気が特徴です。学生同士はフレンドリーで、助け合いの精神が強い印象を受けます。キャンパスも広々としていて、リラックスできる環境が整っているので、学業に集中しやすいです。

サリー大学にはキャンパスが2つあり、そのうちの一つにはクラブが併設されています。クラブ好きな学生はそこに遊びに行ったりすることもありますが、全体としてはのどかで落ち着いた雰囲気が流れています。

また、サリー大学のあるギルフォードは学生が多い街で、キャンパス外でも学生らしい活気が感じられる場所です。もちろん一般の住民もいますが、学生が多いため、街全体が学生生活を支える温かいコミュニティのような感じです。

実際にUniversity of Surreyに行ってみて良かったと感じる点を教えてください。

University of Surreyに実際に行って良かったと感じる点は、全体的にストレスフリーな環境が整っていることです。特に、学生会(SU)が学生のサポートに力を入れており、イギリス国内でトップ10にランクインするほど高い評価を受けています。

SUでは学生がリラックスできるよう、ユニークで親しみやすいイベントを数多く開催しています。たとえば、セラピー犬と触れ合える「ドッグセラピー」や、友達を作りたい新入生向けの「スピード友達作り」など、学生生活が楽しくなる工夫が盛りだくさんです。他にも、来年一緒に住む友達を見つけるためのイベントや、交流の場が用意されていて、自然と友人を作る機会に恵まれています。

キャンパス内で学生同士の距離が近いことも魅力の一つです。困りごとがあれば気軽に相談し合える雰囲気があり、お互いを支え合える温かいコミュニティが形成されています。このようなサポート体制が整っている点は、Surrey大学に通って本当に良かったと思う理由の一つです。

逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?

University of Surreyで少し物足りなく感じた点としては、就職活動やインターンの機会がやや限られていることです。都市部にある大学に比べて企業との接点が少なく、特に多くの企業が集まるロンドンに比べると、キャリアに関連するイベントやインターンシップのチャンスが少ないと感じることがあります。

また、私はSurreyで日本サークルを運営していたのですが、他の大学と連携してイベントを開催するのが難しい点も課題でした。サリー大学はロンドンから電車で約40分という立地にあるため、他の大学と協力してイベントを企画する際に、距離的な制約がありました。他大学の学生が簡単に参加しにくい、他の大学のイベントに参加しづらいというのは少し残念に感じた点です。

University of Surreyの授業のスタイルについて教えてください

University of Surreyの授業スタイルは学年や専攻によって異なるのですが、私の専攻では、1年生と2年生の頃は、週に約25時間の授業があり、基礎をしっかりと学ぶスケジュールが組まれていますが、3年生になると自習や研究の時間が増えるため、授業時間は週に約15時間に減りました。

授業は主に講義とセミナーで構成されており、セミナーでは講義内容に基づいたワークシートに取り組みながら、教授に直接質問できる時間が設けられています。

数学の専攻では、基本的に講義形式が中心で、2週間に1度、1時間のセミナーがありました。さらに、2〜3単位の必修科目としてプログラミングがあり、1年生からPythonやMATLABが学べるようになっています。

物理の専攻では、講義に加えて、週に1度、1時間のセミナーがありました。必修単位の約30%は研究室での評価が含まれており、1年生と2年生の間は毎週4時間の研究セッションがあります。また、128時間以上の研究経験が必要で、プレゼンテーション、レポート、研究ノートの採点も求められ、実践的なスキルを磨く機会が豊富です。

キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?

図書館や共有施設は新しくきれいだが、学部によっては設備がくたびれている(学費が安いため)。有名な教授がいる物理はお金がかかっているが、数学はないイメージ。

University of Surreyのキャンパスはとても美しく、自然と調和した環境が整っています。広々とした芝生のエリアや池、噴水があり、キャンパス内にはキッチンカーも来るので、学生がリラックスできる場として人気があります。

図書館や共有スペースは新しくきれいで、学習環境として充実していますが、学部ごとで設備の質に差が見られるのも事実です。自分は数学物理を専攻していたので2つの学部の授業を受けていたのですが、物理学科には有名な教授がいて資金が投入されている印象がありますが、一方で数学など一部の学部では設備がややくたびれていると感じることもありました。大学の学費がロンドンに比べると比較的手頃であるため、こうした違いが生じているのかもしれません。

大学外での生活環境はいかがですか?

University of SurreyのあるGuildfordは、ほとんどの生活がそこで完結するほど便利で住みやすい環境です。ロンドンに比べると家賃などの生活費は安いですが、イギリス国内ではやや高めの地域です。街の中心であるHigh Streetは坂道になっており、坂を上がるほど裕福層が住むエリアが広がっている印象です。

治安も非常に良く、学生間でも事件の話をほとんど聞かないため、安心して生活できるのも魅力です。Guildford内で遊ぶ場所もあるので、普段の予定はここで済ませることが多いですが、特別な計画を立てて出かけるときはロンドンまで足を延ばします。ロンドンまでは電車で約40分、往復の交通費は日によって異なりますが、£10~23ほどです。

また、近隣のWorking駅に住む学生もおり、少し離れているものの、ロンドン市街にはアクセスしやすいためGuildford周辺で生活する選択肢というのもあります。

在学中に印象に残ってるイベントはありますか?

まず、「Asian Night」は、University of Surreyのクラブイベントの中でも最も盛り上がるイベントの一つです。アジア各国の音楽が流れ、アジア系のさまざまなサークルが一緒に参加して、国境を超えて一体感を感じる特別な夜です。参加者同士の距離が縮まり、いろんな人と友達になれるので毎年楽しみにしている学生も多いです。

次に、これは私が今年から運営しているので印象に残っているのですが、私も運営メンバーである日本サークル(JSA)が主催する「Language Session」も印象的なイベントです。これは、日本語を学びたい学生向けのクラスで、毎回約35人が参加しています。2週間に一度は講義形式で日本語を教え、その間の週には「Japanese Language Cafe」でスピーキングを中心としたセッションも開催しています。多くの学生が熱心に学んでくれるため、非常にやりがいを感じるイベントです。

そして、「Dog Therapy」も外せません。これはお昼のご飯の時間ごろにセラピー犬がキャンパスに来て、学生たちが触れ合う、と言ったものなのですが。リラックスできる癒しの時間を提供してくれてとても幸せな時間です笑笑

入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?

私は入学後、14人でキッチンを共有し、バスルームも共有する寮に住んでいましたが、自分には合わないと感じました。入学前に自分の生活スタイルがどのようなものか、そして寮のスタイルや割り当てのリスクについてもっと考えておくべきだったと思います。生活様式に合った環境が提供されるとは限らないので、事前に寮の種類や共有スペースについて確認し、自分に合った選択をすることが大切です。

また、大学の宿泊施設の暖房がうまく機能しないこともありました。そのため、冬に備えてカイロなど暖を取るためのアイテムを持ってきた方が良いです。ケトルやストーブなどの暖房器具は寮に持ち込めないため、事前に設備状況を確認し、必要に応じて対策を考えておくと安心です。

大学での日本人コミュニティについて教えてください。

University of Surreyでの日本人コミュニティは、年によって人数が変動しますが、ハーフの学生が多く、日本のパスポートを持っていても必ずしも日本語が話せるといったわけでもないので 純粋な日本人の学生は少ないような印象を受けます。日本人が多い年でも15人ほど、現在では2〜3人程度しかおらず、交換留学で来ている学生も1人だけでした。

少人数のため、日本人学生には日本サークル(JSA)の運営に参加するプレッシャーを感じることもあります。サークル活動が好きであれば良い経験になりますが、コミュニティが小規模である分、積極的な役割が求められる場面も多いと感じることがあるかもしれません。

最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!

現地の人や他の国の人と積極的に関わって新しい事をたくさん経験してみてほしいです。もし困った事があったらいつでもJSAだったり大学や他のソサエティでも助けて支えてくれる人はいっぱいいるので大丈夫!応援してます!

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