【アメリカ留学】Minerva Universityで学ぶ新しい大学のカタチ|世界を旅する学びと学生生活のリアル
近年注目を集める革新的な大学、Minerva University(ミネルバ大学)。固定のキャンパスを持たず、世界中の都市を移動しながら学ぶこのユニークな大学で、アクティブに学問と向き合う学生たちがいます。今回は、日本の大学から編入し、ミネルバの多文化・多都市型プログラムで学ぶYukiさんに、入学までの経緯や授業のスタイル、グローバルな学生生活の実態についてじっくりお話を伺いました。
- 2025/7/3
- 2025/7/3

Yukiさん
Minerva University
専攻: Liberal Arts
- #正規生
- #2020年度入学
- #理系&文系
- #アメリカ
Minerva University入学前のYukiさんの経歴について教えてください。
私は中高一貫の公立校に通いながら、高校時代に日本の大学とアメリカの総合大学の両方を受験しました。どちらも合格したので、ギャップタームを使ってまずは早稲田大学に通ってみることにしました。ところが、早稲田で大人数の講義を受ける中で、自分がもっと少人数でのディスカッションや、積極的な学びの場を求めていることに気づきました。それで、アメリカのリベラルアーツカレッジを中心に再受験を決意し、翌年にミネルバ大学に進学しました。
YukiさんはなぜUS・Minerva Universityを進学先として選ばれたのですか?
大学選びにあたっては、まずは上記のように少人数での授業が受けられる環境を重視しており密度の濃い対話やディスカッションを通じて学びたいという思いが強かったことがまずは一つ目の理由です。ミネルバはまさに私が理想としていた、少人数での活発な議論を通じてクリティカルシンキングや問題解決の力を伸ばす環境が整っていました
あとは、幅広いことを学びたいと思ったことも理由の一つです。高校時代、私は文系の科目を主に学んでいましたが、その途中で脳科学にも興味を持ち、理系の分野にも挑戦してみたいと思うようになりました。そうした経験から、文系・理系の両方をバランスよく学べる大学というのも軸のひとつでした。
上記はリベラルアーツカレッジでも共通しているのですが、最終的には今までと全く違う大学システムというものに惹かれてミネルバへの進学を決めました。
結果的に世界中の都市で学びながら生活するというユニークなプログラムも、貴重な経験もでき、自分にぴったりの学びの場であったと思っています。
Minerva Universityに出願する上での、具体的なプロセスについて教えてください。
出願プロセスでは、SATのスコアの提出はオプショナルでした。パーソナルステートメントも不要で、その代わりに自分がこれまで取り組んできたことを3つ書く必要がありました。私は、高校時代に英語ディベート部を創設して全国大会に出場したこと、インターンシップでベンチャー企業の秘書業務を担当したこと、そして大学で行われた国際関係のカンファレンスでオーガナイザーを務めた経験を挙げました。そのほかには、IQテストのような内容の大学独自のテストと録画面接がありました。その後、直接の面接を経て合否が決まる流れでした。
Minerva Universityの校風について教えてください:
大学の校風について、私が感じるのは「挑戦する人が多い」という点です。学生たちは積極的に新しいことに取り組み、自分の限界を押し広げようとしています。また、良い意味で型にはまっていない、非常に柔軟な雰囲気があると感じます。世界中の都市を移動しながら学ぶという独自のスタイルを持つ大学なので、各都市には学生をサポートしてくれるメンターのような役割の人たちがいるのですがるのですが、彼らによると、毎年の代によって雰囲気や特徴が全く異なるという点も、校風の面白さの一つだと思います
実際にMinerva Universityに行ってみて良かったと感じる点を教えてください。
実際にミネルバ大学に通ってみて良かったと感じた点は、まず留学生が全体の8割を占めており、特定のマジョリティが存在しない環境で学べることです。さまざまな国や文化を持つ学生たちが集まっているため、ひとつの価値観に縛られず、多様な世界を知ることができました。ただ大学の外では、毎回異なる場所で外国人としてマイノリティとして新しい環境に溶け込む経験ができたので、居心地のいい環境ながらも他の文化などへの適応もできる、そんな良さがありました。
逆に、悪かった点、もっとこうだったらよかったと思う点はありますか?
生活環境が事前にイメージしづらい点が挙げられます。例えば、どんな寮に住むのかが分からないため、予測が難しく、準備がしにくいと感じました。また、複数の都市を短期間で移動する生活は大変です。荷物を持って移住すること自体も負担ですし、せっかく気に入った都市があっても、すぐに次の都市へ移動しなければならないことを残念に思うこともありました。
Minerva Universityの授業のスタイルについて教えてください
ミネルバ大学の授業は全てディスカッションベースで進行します。講義形式の授業はなく、事前課題でビデオを視聴する程度です。そのため、授業は予習をしていることが前提で進むので、準備をしていないとついていくのが難しいです。また、評価システムは定量的で、毎回の授業ごとに適切なフィードバックを受け取ることができ、自分の進捗や改善点が明確になります。授業は一週間に4授業が2セット行われる形で進められます。
キャンパスや大学の施設の雰囲気はいかがですか?
ミネルバ大学は他の大学とは異なり、伝統的なキャンパスや大規模な施設を持っていません。学生は世界中の都市を移動しながら学びますので、各都市で寮やコワーキングスペースを利用して生活と学習を行います。
大学外での生活環境はいかがですか?
ミネルバ大学では、基本的に寮での生活が中心となります。ただし、寮の環境は年や都市によって異なるため、一概にどんな施設かは言い切れません。多くの場合、2〜4人部屋が主流となっており、学生同士で部屋とキッチンを共有しながら生活を送る形式でした。
在学中に印象に残ってるイベントはありますか?
ミネルバ大学で特に印象に残っているイベントは、移動先の都市で現地の家庭に滞在し、ローカルな生活を直接体験する機会でした。このイベントでは、普段の留学生生活では味わえない、その土地特有の文化や日常を肌で感じることができました。現地の人々と交流しながら、異なる価値観や生活スタイルを深く学べる貴重な経験であり、国ごとの文化の違いを実際に体感することができた点が非常に印象的でした。
入学前、準備しておいてよかったこと、または準備しておくべきだったことはありますか?
受験に関しては特別な対策がしづらい部分がありました。例えば、IQテストのような形式の試験があるため、具体的に取り組むべきことが少なく、通常の受験勉強とは少し異なります。そのため、入学前に特別な準備をするというよりも、普段から自分のやりたいことや興味のあることに積極的に取り組むことが一番重要だと感じました。自分の経験や情熱が、大学での学びにもつながるので、日常的な取り組みが大切です。
大学での日本人コミュニティについて教えてください。
私の代は三人いました。1人はIBを提供している日本の高校出身、もう一人は海外に長く住んでいる海外の学校の出身の子でした。
最後に、これから留学を志す中高生の方々にメッセージ・アドバイスをお願いします!
留学を考えている方へのアドバイスとして、最も大切なのは「最初の一歩を踏み出すこと」です。実際に行動を起こす最初のステップが一番の難所であり、不安や迷いがつきまとうかもしれません。しかし、一度その一歩を踏み出してしまえば、その後は自然と行動し続けることができるようになります。留学や新しい挑戦に対して勇気を持って最初の一歩を踏み出すことが、成功への鍵だと思います。