- 2026/10/5
「ポテンシャル」より「実績」。メルボルン大学生が語る、オーストラリアと日本の就活の違い


この記事を書いたライター
Minami
オーストラリア・メルボルンの大学に留学中のあおいさんにインタビューを行いました!今回は、前回とはかけ離れた、現地の「厳しい現実」について伺いました。
テーマは、留学生なら誰もが一度は考える「就職」です。あおいさんは現在就活中だとのこと。そこで、現地で見てきたオーストラリアの就活事情と、日本との違い、そして自身の進路の考え方について聞きました!
一番の違いは「何を見て採用するか」
日本とオーストラリアの就職活動は、何が違うのでしょうか。
あおいさんがまず挙げたのは、企業が学生の「何を見るか」という点です。
Aoi さん日本は、今は少しずつ変わってきているかもしれませんが、新卒のポテンシャル採用という考え方がまだ強いですよね。オーストラリアは実力主義というか、これまでの実績や大学の成績、インターンの経験をしっかり見られます。日本では「入社後に育てる」前提で、学生時代の経験や人柄を重視する採用が主流です。一方、オーストラリアでは、「この人はすでに何ができるのか」を、成績や実績という目に見える形で示すことが求められるそうです。
3年で卒業して終わり、ではない
オーストラリアの大学は通常3年間。ただ、そこで卒業してすぐ就職する人ばかりではないと言います。オーストラリアでは、本気で就職したい人は、3年の学部のあとに1年の*オナーズ課程に進んだり、さらにそこから2年の修士に進んだりする人が多いのが現状だそうです。
加えて、インターンシップが大学の単位として認められる制度もあり、在学中から実践的な経験を積むことが当たり前になっているそうです。
Aoi さん勉強と実務がつながっている感じですね。実践ベースで力をつけて、それを実績として就活で見せる、という流れです。*オナーズとは、成績優秀な生徒が、自分の興味のある研究を独立して行える過程のこと
世界中から学生が集まるので、競争は激しい
オーストラリアの大学には、世界中から学生が集まります。それは同時に、就職の競争相手も世界中から来るということです。
また、学び直しをしてから就職する人、働きながら修士に通う人。年齢もバックグラウンドも多様な人たちと同じ土俵で評価されるというのがオーストラリアの就活の現実のようです。
Aoi さんLinkedInに自分の実績を載せて発信していく、というのも一般的ですね。その辺りは他の国とあまり変わらないと思います!*Linkedinとは、世界最大規模のビジネス特化型のSNSサイト。新卒採用ではなく、実力採用型が一般の海外では、このサイトを使ってヘッドハンティングやリクルートが行われます。
留学生ならではの事情:ビザと学費
では、あおいさんはなぜ日本での就職を選んだのでしょうか。理由の一つは、留学生ならではの現実的な事情です。
Aoi さんオーストラリア人なら、大学に4年でも5年でも通って、インターンをして、1年就職浪人して、というやり方もできます。でも留学生はビザも学費も高いので、同じようにプラス1年、プラス2年と滞在するのは簡単ではないんですそこで考えたのが、「まず日本でキャリアを積む」という選択肢でした。
Aoi さん日本でいい会社に入れれば、そこから転職したり、いろいろな方向に進んだりできる。もしオーストラリアに戻りたくなったら、戻る方法はそのとき考えればいいのかなと。まだ就活を始めたばかりなので、見えていない部分も多いですけど留学先で就職するか、日本に戻るか。どちらが正解ということはなく、あおいさんの場合は「日本で実績をつくってから、次の選択肢を広げる」という順番で考えているようです。
移民をめぐる空気の変化
もう一つ、留学生の進路に影響しそうな話題として、あおいさんはオーストラリアの政治の動きにも触れました。
オーストラリアにも、移民制限や伝統的な価値観への回帰を掲げる政治勢力があるそうです。大学は比較的リベラルな人が多く、反対する人も多いようですが、街に出ると違う考えの人もいるのが海外。日曜日にはデモがあるので、このエリアには近づかない方がいい、みたいなこともあるそうです。
多様な意見が共存しているのがオーストラリア社会の実情であり、留学生として滞在し、働くことを考えるなら、こうした空気も知っておく必要がありそうです。
おわりに
「ポテンシャル」を見る日本と、「実績」を見るオーストラリア。オナーズや修士、単位になるインターンを通じて実力を積み上げ、世界中から来た学生と競う。そして留学生には、ビザと学費という現実的な制約がある。
あおいさんの話からは、留学先で就職することの厳しさと同時に、「まず日本で、それから次へ」という柔軟なキャリアの考え方も見えてきました。
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