- 2025/8/10
【コラム】カナダの理系大学生のリアルな実験事情!
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この記事を書いたライター
Iroha.T
中2まで日本で生まれ育つ。親の転勤で英語がままならないままシンガポールに移住し、IBを取得。現在は子供の発達や教育を追求するため、トロント大学で認知科学や脳科学などを学ぶ。高校時代、年間200人ほど転入する生徒のサポートなどをしており、より大規模で海外大学進学希望者への情報提供をしたいと思い、留パスの活動に携わる。
こんにちは!
トロント大学で数学物理学科の1年生を終えたいろはです。
実は、私生物も化学も1年間みっちり取ってて、数学物理学科にしてはとても珍しいんですよ。
というのも、元々実験は好きだったんですよ。だけど、専攻が決まる前にして毎週3時間実験がある+膨大な課題に追われ、途中で行きたくない症候群になった時も、、、(笑)
それでも最終的には実験ラバーになりました。(笑)
今回はそんな私が経験した、リアルな海外大学の実験事情について語ります。
そもそも、なぜ数学物理学科なのに生物と化学?
もうこの質問、何回も実験友達に聞かれました笑笑
化学はまあ物理と共通する部分があるからわかるけど、なぜ生物まで、、、と。
それほど珍しいみたいです。
基本、生物と化学はトロント大学の生命科学科の生徒しか取りません。
しかも、トロントの履修選択は先着順の熾烈な戦い。
履修選択の時には、生物・化学は生命科学科の学生が優先。
私のような部外者に順番が回る頃には、1400枠が残り10枠という修羅場。
選択権を待ってる間はどんどん減っていく枠の数を悲哀の目で見つめ、いつも神に祈り続けています。
ではなぜ神に祈るまでして生物と化学を取りたかったのか。
数学物理学科といっても、私の場合はその学科に入っている認知科学を学びたかったので、物理も、数学専攻希望者用の難しい数学のクラスも取っていません。
トロント大学は2年目から専攻が決まるので、私は認知科学と神経科学、心理学の専攻ができるような履修選択をしていました。
そして神経科学を専攻するために、1年目で生物と化学を取らないといけなかったのです。
しかも1年間取らないといけないので、私は数学物理学科というより、ほぼ生命科学科の人間。
同じ生物と化学を取っていた友達は皆生命科学科の人たちだけだったので、自己紹介で私の学科をいうと毎回驚かれ、どうして取っているのかを毎回説明しないといけない羽目に。。。笑笑
実験準備の洗礼
なにはともあれ、無事生物と化学を履修した私は、期待とともに授業のページを開いたら、すごい情報量にぶつかりました。
それぞれのレクチャー・チュートリアル(演習クラス)用の教材と情報に加え、実験用に買うものや、前準備用のビデオや英語の数々。
ページがやたら区切られているし、飛ぶリンクが多すぎて何がなんだか。
しかも買わないといけないものはそれだけではなく指定のペン、実験資料や指定の実験ノートまで。
ペンとノートまで指定なのはびっくりしました。
小学校以来の手厚さ。
しかも、実験の手順とその他情報は全て手書きでノートに書き写さないといけません。
これが超大変。
でも不思議と、単語の聞き慣れなさや、ビデオに出てくる実験器具から、大学の実験っぽいーーとワクワク。
買うものを揃え、課題をやり、それに加え膨大な時間をかけて全てのビデオと参考文献までも熟読し、これでもかというほど準備万端にしてはじめての実験に臨んだ私でした。
というのも、元々私はIBの生物と化学を取っており、実験にはそれなりに慣れていたつもりなのですが、私の高校は授業内でいきなりミニ実験などが多かったので、IBに提出するレポート以外の実験では事前準備はあまりしていなかったんです。
普通の実験でどこまで準備をすればいいかの加減がわからない私。
しかも、私の高校の化学の先生はとっっっっても厳しく、私語厳禁に加え、いきなり課せられる難しい実験に戸惑いキョロキョロしていたら怒られる始末。(正直何回怒られたかわかりません。笑)
そんな経験から、私は事前にもらえる情報は全て頭の中に入れておかなければ、と膨大な時間をかけ事前準備をしました。
初回の実験は、、、色遊び!?
正直、初回の化学の実験はとてもじゃないけど思い描いていた大学の実験とは程遠いものでした。
あんなに時間をかけ準備したのにも関わらず、ほぼ色遊び、といってもいいほどの実験。笑
まあメカニズムは複雑なのですが、かっこいい器具はまだ使わず、実験自体はとても簡単でした。
恐れていた実験時間内にある小テストも初回はそこまで難しくなく。
3時間の実験時間は、ものの2時間で全てが終わりました。
実験を監督してくださるTAはとても優しく、質問したらすごく丁寧に答えてくださりすごくほっとしました。
しかも、最初の半年間は同じ2人1組で実験を行うため、とても安心しました。
私のパートナーの人もすごくいい人で感動!!


生物も、初回は実験、ではなくほぼレクチャー。
私の思い描いていた白衣に身を包み黙々と作業するかっこいい研究生チックな実験授業はどこへ行ったのやら。
ですが、とても安心できる初回実験でした。
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迫り来る実験レポートとスケジュールミス
安心感に包まれたのも束の間、今度は実験後のレポートが待ち受けています。
レポート自体はそこまで長くなく、実験のメカニズムなどを書いたりするのですが、
最初の頃はどこまで深く書けば点数が良くもらえるのか加減がわからず、時間を必要以上に費やしました。
しかも私は痛恨のミスをしていました。
化学と生物はそれぞれ2週間に1回、実験があるのですが、通常は履修選択時に毎週交互に実験があるように時間割を作ります。
ですが、私の場合は希望していた実験の枠が余っておらず、同じ週に生物と化学の実験を入れてしまいました。
そのおかげで実験がある週はスケジュールキツキツ、課題膨大。
他の授業の課題とも折り合いをつけなければならず、実験のない週は他の科目の課題を前もって片付ける、などしていました。
慣れって怖い
最初はすごい丁寧に余裕をもって前準備をし、長々とレポートも書いていたのですが、
だんだんこの量書けば、この内容を書けば、点数がもらえるという基準を理解したので、
どこまで効率的に課題をこなし高得点をとるか、が重要に。
事前準備を直前に行い、記憶がフレッシュなまま実験に向かいます。
もちろん課題の量は変わらず多い+内容は難しくなっているので、時間との戦いです。
そんな感じで実験の日は最大限にエネルギーを使うので、帰ってからレポートを書きたい気は起きません。
早めに書いておけば後々楽なのに、、、と何回思ったことか。
ちなみに実験レポートの期限は次の実験時間の始まりまで。
よくあったのは、実験レポートの存在は他の科目の課題にかき消され、次の実験前日に慌ててやっていました。笑
憂鬱な課題もだんだん、、、!?
最初のワクワクは束の間、生物はなぜか途中にプレゼンテーションの課題があったり、化学は相変わらずの前準備とレポートと小テストの連続で少しずつ実験時間が憂鬱になってしまった最初の半年間。
しかし次の半年間は、コースがそれぞれ少し変わったのもあり、内容がぐんとおもしろくなりました。
最初の半年間の生物は環境学メインだったのですが、次の半年間はDNAがメイン。
実験の器具は大学で初めて扱うものばかりだったので毎回ワクワクしていました。
そしてなんといってもTAが相変わらずとても優しく、ラボのメンバーもとても積極的。
一緒に事前準備やレポートをしたり、小テスト直前に重要事項を確認しあったり、和気藹々としながら実験をしていました。
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そして化学も無機化学メインから、有機化学へと内容がシフト。
より多くの物質や反応を扱うようになり、生物も同じく機器も初めてみるものばかり。
その分レポートと事前課題は大変になるのですが、より効率的にこなせるようになったことと、その大変さも忘れるほど楽しかったです!!
ひとりでの実験が主だったので生物のように一緒に課題をやるほどの友達は作れなかったのですが、お隣の席の人はとても優しかったです。
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まとめ
実験って準備やレポートが超大変ですが、その分、毎回新鮮でワクワクがたくさん!!
レクチャーで学んだことが次の週の実験で実際に体験できることで、学びも深まります。
さらに、普段のレクチャーだけでは作れない、密な友達も作ることができます。
特にマンモス校トロント大学では、レクチャーでは友達を作ることがとても大変なので、こう言った機会はとても貴重なんです!。(顔見知りは増えるんですけどね、、、)
人数が少ない実験で友達と仲良くなったり、TAとも仲良くなったり、、、!
大学の実験ってとっても楽しい!!
そんな理系大学生の実験ライフでした!
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